(1)海藻の種類数
護岸で確認された海藻は53種類で、冬季に多く夏〜秋季に減少する季節変化を繰り返している。また、護岸別にみると傾斜護岸での出現種類数が常に多い(Fig-3)。
Fig-3 Seasonal changes in the total species number of benthic seaweed of 5 stations.
(2)海藻面積とその経年変化
護岸に着生した海藻面積は23haで、6月が最も多くなる季節変化を繰り返しながら増加している(Fig-4)。
Fig-4 Seasonal changes in the total area of benthic seaweed
(3)ガラモ場面積の規模と経年変化
沿岸域の中でもきわめて高い基礎生産力を維持するガラモ場は、平成7年級で約13haに達している(Fig-5)。
(4)海藻の着生可能な限界水深
護岸に着生しているカジメの生活史から、限界水深が9.5mであることが分かった。
(5)着生した海藻の分布特性
確認された海藻の種類から空港島の藻類生育現境は内湾性(B護岸)と外洋性(A護岸)の両面を持っていることが分かった。
3-2魚介類
1996年3月現在において空港島護岸で確認された魚介類は113種類(軟体動物11種類、節足動物5種類、棘皮動物6種類(原索動物1種類、魚類89種類、哺乳類1種類)である。また、確認された魚介類の殆どが有用種で、特に空港島を周年すみかとして利用している岩礁性魚介類(アイナメ、メバル、サザエなど)が、数多く出現している。一方、魚介類の出現種類数は水温の高い夏から秋季に多く、冬季に減少する季節変化を繰り返しながら増加している。また、傾斜護岸における出現種類数は直立護岸を常に上回っている(Fig−6)とともに、産卵や幼稚仔等の利用形態が確認されている。このことは傾斜護岸は魚介類の生育に適した構造であることを示唆している。
Fig-5 Annual changes in the total area of Sargassum zone
3−3付着植物
(1)種類数
護岸における出現種類数は、冬季〜春季に多く夏季に少ない季節的消長を示しながら増加している。その組成は紅藻植物が最も多く次いで褐藻植物、緑藻植物の順となっている。護岸構造による違いをみると、調査査点?(垂直護岸)では2〜21種類、調査点???(傾斜護岸岸)では5〜50種類の範囲で変動しており、傾斜護岸
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